埼玉県で取引された中古マンション等の価格を安い順に並べると、真ん中は2,500万円だった。不動産情報ライブラリ(国土交通省)の価格情報をもとに、2025年第2四半期から2026年第1四半期までの4四半期分を当サイトが集計した値で、件数は8,400件ある。
この中央値と同じ2,500万円を借入額として置き、【フラット35】で35年・元利均等・ボーナス返済なしを仮定する。2026年10月に最も多い金利3.83%は融資率9割以下の場合の数字だ(確認日2026年10月2日)。この条件で毎月の返済額は108,159円、420回の総返済額は45,426,780円になる。金利が1ポイント高い4.83%では毎月123,474円で、月15,315円の差だ。
融資率は購入価額に対する借入額の割合で、9割を超える場合は適用金利が異なる。したがって価格2,500万円の物件を全額借りる試算ではない。同額の借入例を比較用に示しているだけで、購入する物件の価格と自己資金の組み合わせに応じて金利・借入額を決める必要がある。
2,500万円は県内の取引の真ん中で、物件の値段ではない
中央値は、取引価格を並べたときにちょうど真ん中に来る値だ。半分の取引はこれより安く、半分は高い。平均値ではないので、ごく高い取引が少しあっても引っぱられにくい。
埼玉県全体では、安い方から4分の1の位置が1,300万円、高い方から4分の1の位置が4,000万円だった。真ん中の半分の取引は1,300万〜4,000万円の幅に入る。専有面積の中央値は70㎡、㎡単価の中央値は383,333円/㎡である。
母集団は二つある。当事者アンケートによる不動産取引価格情報の2,633件と、仲介で成約した価格情報の5,767件を合わせて算出している。国土交通省が公表した統計ではなく、当サイトによる集計・加工だ。直近の四半期は2026年9月1日の取得時点で公表が進行中で、件数がまだ確定していない。同じ集計の参考値として、全国の価格中央値は2,900万円とされている。
築年数で区切ると、中央値は4,700万円から980万円まで開く
築年数は「取引した年 − 建築年」で数えている。建築年が「戦前」や空欄の取引は除いた。
| 築年数 | 価格中央値 | 真ん中の半分(25%〜75%の位置) |
|---|
| 築5年以内 | 4,700万円 | 3,700万〜6,500万円 |
| 築6〜10年 | 4,600万円 | 3,800万〜6,000万円 |
| 築11〜15年 | 4,600万円 | 3,700万〜6,100万円 |
| 築16〜20年 | 3,400万円 | 2,500万〜4,500万円 |
| 築21〜25年 | 3,600万円 | 2,700万〜4,700万円 |
| 築26〜30年 | 2,700万円 | 2,000万〜3,600万円 |
| 築31〜40年 | 1,500万円 | 950万〜2,400万円 |
| 築41年以上 | 980万円 | 570万〜1,700万円 |
出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産価格情報をもとに当サイト集計(2025年第2四半期〜2026年第1四半期、取得2026年9月1日)
築15年までは中央値が4,600万〜4,700万円台で並び、築16〜20年で3,400万円に下がる。築21〜25年の3,600万円はそれより少し高い。これは同じ物件が年を追って値上がりした記録ではない。区分ごとに立地や面積の構成が違い、その差が混ざっている。築16〜25年の二つの区分は、専有面積の中央値がどちらも75㎡で、築15年までの65〜70㎡より広い。
件数がいちばん多いのは築31〜40年の2,001件だが、この区分は10年分をまとめている。5年刻みの区分と件数をそのまま比べないほうがよい。全国の築年数別の中央値は中古マンションの価格中央値、全国は築5年以内4,900万円・築31〜40年1,500万円で並べている。
間取りでは3LDKが県全体の半分を超える
間取り別では3LDKが4,696件で、県全体8,400件に対する割合を計算すると約56%になる。3LDKの中央値は2,900万円、真ん中の半分は1,800万〜4,300万円だった。2LDKは2,200万円(1,228件)、4LDKは3,200万円(617件)と続く。
間取りの順に値段が並ぶわけでもない。1Kの中央値1,700万円は、2DKの950万円や3DKの795万円より高い。㎡単価の中央値で見ると、1Kは680,000円/㎡、2DKは226,667円/㎡、3DKは141,818円/㎡と大きく離れている。部屋数の差より、どんな物件がその区分に集まっているかの差が出ていると読むのが無理がない。理由までは集計からはわからない。
金利が0.5ポイント動くと、総返済額は300万円あまり動く
借入額2,500万円・35年・元利均等返済・ボーナス返済なしで、金利だけを変えた試算が次の表だ。
| 金利 | 毎月の返済額 | 総返済額(420回) |
|---|
| 3.83% | 108,159円 | 45,426,780円 |
| 4.33% | 115,696円 | 48,592,320円 |
| 4.83% | 123,474円 | 51,859,080円 |
出典:住宅金融支援機構【フラット35】金利情報(2026年10月、確認日2026年10月2日)をもとに当サイト試算
3.83%は2026年10月の【フラット35】で借入期間21〜35年の最頻金利だ。公表資料では融資率9割以下の区分に当たる。表の4.33%と4.83%は、金利上昇を比べるために設定した仮の値である。同じ区分の公表金利には3.83%〜5.84%の幅があった。利息総額は3.83%で20,426,780円、4.83%で26,859,080円になる。3.83%のときでも、利息は借入額の約8割(20,426,780円÷2,500万円で計算)にあたる。
毎月の返済額は1円単位に丸めてから回数を掛けている。実際の返済予定表は最終回で端数を調整するので、総額はこの表と数百円ずれることがある。借入時の事務手数料や物件の維持費、繰上返済はこの計算に入っていない。公表の3.83%は新機構団信付きの条件で、団信の種類や融資率によって実際の適用金利は異なる。
自分が探す条件の行に置き換える
この試算は、県全体の価格中央値を参照して借入額を2,500万円に固定した別条件の計算例だ。融資率9割以下が前提なので、同額の物件を全額借りる返済表ではない。探しているのが築16〜20年なら中央値は3,400万円、3LDKなら2,900万円で、借入額も変わる。自己資金をどれだけ入れるかでも借入額は変わる。
借入額が違うときの返済額は、表の数字から推し量るより、当サイトの住宅予算ツールに自分の借入額と期間を入れて確かめるほうが確実だ。住宅の購入価額と自己資金を決め、まず融資率と借入額を確認する必要がある。どの数字も相場の目安で、個々の物件の値付けや借りられる額を示すものではない。