大阪府の事業所で働く人の推計平均年収(男女計、2023年)は、どの年齢層でも47都道府県の単純平均を上回る。ただし差の大きさは年齢でまったく違う。20〜24歳では14万円だった差が、55〜59歳では123万円まで広がり、60歳を過ぎると再び縮む。全国順位も20〜24歳の12位から、45〜54歳の3位まで動く。
数字は厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2023年)をもとに、毎月決まって支給される給与の12カ月分と年間賞与を足した推計年収で、当サイトが算出した。税・社会保険料を引く前の額面の平均値で、企業規模10人以上・産業計・一般労働者が対象になる。集計は事業所の所在地が基準なので、「大阪府に住む人」ではなく「大阪府の事業所で働く人」の数字だ。比べる相手の「47都道府県の単純平均」は、各都道府県の値を足して47で割ったもので、労働者数で重みを付けた全国平均とは別物である。
年齢層ごとの差と順位を一枚に並べる
| 年齢層 | 大阪府の推計年収(47都道府県の単純平均) | 差(全国順位) |
|---|
| 〜19歳 | 272万円(257万円) | +15万円(8位) |
| 20〜24歳 | 335万円(321万円) | +14万円(12位) |
| 25〜29歳 | 432万円(385万円) | +47万円(4位) |
| 30〜34歳 | 492万円(427万円) | +65万円(4位) |
| 35〜39歳 | 544万円(464万円) | +80万円(4位) |
| 40〜44歳 | 584万円(494万円) | +90万円(4位) |
| 45〜49歳 | 613万円(517万円) | +96万円(3位) |
| 50〜54歳 | 651万円(534万円) | +117万円(3位) |
| 55〜59歳 | 658万円(535万円) | +123万円(4位) |
| 60〜64歳 | 493万円(420万円) | +73万円(4位) |
| 65〜69歳 | 414万円(354万円) | +60万円(4位) |
| 70歳〜 | 376万円(328万円) | +48万円(7位) |
| 年齢計 | 546万円(460万円) | +86万円(3位) |
出典:賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_年齢階級別DB」2023年をもとに当サイト算出(取得2026-09-01)。差は大阪府の推計年収から47都道府県の単純平均を引いた値。
20代後半で差が3倍になり、50代後半まで広がり続ける
10代と20代前半の大阪府は、全国の単純平均より15万円前後高いだけだ。倍率にすると20〜24歳で約1.04倍で、順位も12位にとどまる。
動きが出るのは25〜29歳からである。差は47万円に跳ね、順位は4位に上がる。その後は年齢層が上がるごとに差が65万円、80万円、90万円と積み上がり、55〜59歳の123万円が最大になる。この年齢層の倍率は約1.23倍だ。
差が最大の55〜59歳で、順位は3位から4位に一つ下がっている。差は「平均からどれだけ離れているか」、順位は「他の県と比べてどこにいるか」を測るもので、同じ方向に動くとは限らない。どの県が大阪府を上回ったのかは、この表からは読めない。
大阪府の中だけで見ると、20〜24歳から55〜59歳にかけて月々の給与は25.0万円から43.2万円(約1.7倍)、年間賞与は34.3万円から139.5万円(約4.1倍)になる。月給と賞与の両方が増えており、賞与は倍率で見ると月給より大きく伸びている。ただ、全国の単純平均を月給と賞与に分けた値はここにないので、全国との差のうちどれだけが賞与によるものかまでは言えない。
60歳の段差は全国より大きい
大阪府の推計年収は55〜59歳の658万円がピークで、60〜64歳では493万円になる。下がり幅は165万円で、47都道府県の単純平均の下がり幅(535万円→420万円の115万円)より50万円大きい。賞与は139.5万円から81.9万円に減っている。その結果、全国との差は123万円から73万円に縮む。
それでも60代の順位は4位を保ち、70歳以上で7位に下がる。都道府県ごとのピーク年齢の分布は年収の頂点は27県が55〜59歳、60歳前後の落ち込みの県比較は60〜64歳層の平均年収は全都道府県で55〜59歳層を下回るで扱っている。
自分の県の表で見る三つの点
当サイトのツール「都道府県別 平均年収くらべ」で都道府県と男女区分を選ぶと、上と同じ形の表が出る。読むときは次の三点を順に確かめるとよい。
- 差が最大になる年齢層。大阪府では55〜59歳だった。県全体の平均(年齢計)だけでは、どの年代で差が生まれているかが分からない。
- 順位が大きく動く年齢層。大阪府は20〜24歳の12位と70歳以上の7位が他の年齢層から外れている。順位が年齢層で大きく動く県は、その年齢層で働く人の産業や職種の構成が違う可能性がある。
- 人数の少ない年齢層。大阪府の表でもっとも労働者数が少ない年齢層は15,710人で、こうした層は平均が振れやすい。
表の数字は2023年時点の年齢層ごとの断面である。25〜29歳と55〜59歳の差は、いま20代後半の人が30年後に同じだけ年収を増やすことを示すものではない。平均値なので、高い年収の人に引っ張られる。半分の人がこの額より下、という中央値の読み方はできない点も押さえておきたい。