2023年の55〜59歳層と60〜64歳層の平均推計年収を都道府県ごとに比べると、47都道府県のすべてで60〜64歳層が下回る。年齢層間の差はそろっていない。最も大きい栃木県は-32.1%、最も小さい和歌山県は-5.1%で、その差は27.0ポイントある。
数字の出どころは2023年の賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_年齢階級別DB」。対象は一般労働者・企業規模10人以上・産業計で、金額は税と社会保険料を引く前の額面の平均値である。推計年収は、きまって支給する現金給与額を12倍し、年間賞与その他特別給与額を足した当サイトの算出値だ。以下で順位に触れるときは、この47県の数字を当サイトで並べ直したものを指す。
年齢層間の差の両端は栃木県と和歌山県
| 都道府県 | 平均推計年収(55〜59歳層/60〜64歳層) | 55〜59歳層比 |
|---|
| 栃木県 | 676万円/459万円 | -32.1% |
| 滋賀県 | 567万円/413万円 | -27.2% |
| 香川県 | 516万円/378万円 | -26.7% |
| 神奈川県 | 694万円/509万円 | -26.7% |
| 福岡県 | 566万円/416万円 | -26.5% |
| 北海道 | 501万円/424万円 | -15.4% |
| 青森県 | 411万円/350万円 | -14.8% |
| 鹿児島県 | 464万円/402万円 | -13.4% |
| 佐賀県 | 475万円/419万円 | -11.8% |
| 和歌山県 | 534万円/507万円 | -5.1% |
出典:賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_年齢階級別DB」2023年、一般労働者・企業規模10人以上・産業計。推計年収は当サイト算出。
栃木県は55〜59歳層が676万円、60〜64歳層が459万円で、開きは217万円。和歌山県は55〜59歳層534万円に対して60〜64歳層507万円で、開きは27万円にとどまる。
栃木県の676万円は、55〜59歳の金額を47県で並べると東京都、神奈川県に次ぐ3番目にあたる。ところが60〜64歳で並べ直すと9番目まで下がる。55〜59歳の水準が高い県が、そのまま60代前半でも上位に残るとは限らない。
和歌山県はその逆を行く。55〜59歳の534万円は47県のちょうど真ん中(24番目)だが、60〜64歳の507万円は東京都、神奈川県に次ぐ3番目になる。
47県のうち、年齢層間の差が20%以上の県は31県ある。15%に満たないのは青森県、鹿児島県、佐賀県、和歌山県の4県だけだ。
労働者数は標本数ではない
出典で示される「60〜64歳の労働者数」は、調査票に回答した人数そのものではない。厚生労働省の用語説明によると、賃金構造基本統計調査は抽出調査である。労働者数は、調査した人数に復元倍率(抽出率の逆数)を掛けた復元推計値だ。
たとえば東京都の373,260人や高知県の8,370人は、集計上その区分にいると推計された労働者の規模を示す。この数字だけから回答者数や平均値の誤差は分からないため、労働者数の大小を根拠に順位の確かさを比べることはできない。
同じ人の賃金を追った数字ではない
これは2023年の一時点を切った数字で、55〜59歳の人たちと60〜64歳の人たちという別の集団を比べている。出典も、同一人物の再雇用後の賃金を追ったものではないと注記している。いま57歳の人が5年後に栃木県で-32.1%になる、という読み方はできない。
県ごとに年齢層間の差が違う理由は、このデータからは分からない。再雇用の仕組み、産業の構成、働く時間の長さなど、思いつく要因はいくつもある。どれがどれだけ効いているかは今回の数字では確かめられず、ここから先は推測になる。
自分の県に当てはめる前に
金額は額面なので、実際に受け取るのは税と社会保険料を引いた後の額だ。年収と手取りの関係は年収別の手取り早見表で扱っている。
平均値であることも効いてくる。平均は高い金額の人に引き上げられるので、その県の真ん中にいる人の実感より高く出ることがある。中央値は今回のデータには含まれていない。
対象が一般労働者・企業規模10人以上・産業計に限られる点も、自分の勤め先と重ねる前に見ておきたい。年齢層ごとにどこが頂点になるかは年齢別の頂点を県で比べた記事で扱った。