年収ごとの手取りは、ページを行き来して見比べるより一枚に並べたほうが自分の位置がつかみやすい。2026年度の保険料率と税制で、年収200万円から1,500万円までの11段階について手取りを計算した。前提は東京都に住む39歳以下、扶養なし、協会けんぽに加入する会社員だ。手取り率は年収200万円の**82.0%から、1,500万円の68.3%**まで下がる。差は13.7ポイントある。
11の年収で並べた手取りと手取り率
| 年収 | 手取り | 手取り率 |
|---|
| 200万円 | 1,639,024円 | 82.0% |
| 300万円 | 2,400,024円 | 80.0% |
| 400万円 | 3,168,321円 | 79.2% |
| 500万円 | 3,942,166円 | 78.8% |
| 600万円 | 4,662,028円 | 77.7% |
| 700万円 | 5,308,667円 | 75.8% |
| 800万円 | 5,947,601円 | 74.3% |
| 900万円 | 6,615,766円 | 73.5% |
| 1,000万円 | 7,274,305円 | 72.7% |
| 1,200万円 | 8,561,818円 | 71.3% |
| 1,500万円 | 10,239,320円 | 68.3% |
出典:LifeKurabe による2026年度の算出(東京都・39歳以下・扶養なし・協会けんぽ)。協会けんぽ令和8年度保険料率、日本年金機構 厚生年金保険料額表(令和8年)などをもとに計算
ここでの手取りは、年収から社会保険料、所得税、住民税、森林環境税を引いた残りを指す。森林環境税は1,000円の国税で、住民税の均等割と一緒に納める。ただしこの表では住民税の額に含めず、別に引いている。どの順番で何が引かれるかは手取りが決まる五段階の記事にまとめてある。
表を見るときは、自分の年収に近い行と、その上下の行を並べて見るとよい。表の二つの行のあいだにある年収なら、その二行の手取り率のあいだあたりが目安になる。とはいえ社会保険料は標準報酬月額の等級で段階的に決まるので、中間の年収の正確な手取りはこの表だけでは出せない。
高い年収帯で手取り率を押し下げるのは所得税の伸び
年収が上がると手取り率が下がるのは、社会保険料と税の両方が年収とともに増えるからだ。そのうち年収が高くなるほど効いてくるのが、累進の所得税である。高い税率がかかる部分は、年収が高いほど増えていく。年収200万円では所得税は0円で、引かれる額の大半は社会保険料の299,476円が占める。年収300万円になると所得税は26,648円、1,500万円では2,095,184円だ。300万円から1,500万円で年収は5倍になるが、所得税は78倍を超える。
社会保険料は、高い年収帯になると伸びが鈍る。厚生年金保険料には上限があり、この計算でも年収1,200万円と1,500万円の厚生年金保険料はどちらも713,700円だ。1,200万円から1,500万円に上がる区間を見ると、社会保険料は190,392円しか増えないが、所得税は851,106円、住民税は281,000円増える。この年収帯で手取りを削っているのは、主に税のほうである。
昇給した分のうち手取りに残るのは何割か
| 年収の区間 | 手取りの増加 | 増えた年収のうち残る割合 |
|---|
| 200万円→300万円 | +761,000円 | 76% |
| 300万円→400万円 | +768,297円 | 77% |
| 400万円→500万円 | +773,845円 | 77% |
| 500万円→600万円 | +719,862円 | 72% |
| 600万円→700万円 | +646,639円 | 65% |
| 700万円→800万円 | +638,934円 | 64% |
| 800万円→900万円 | +668,165円 | 67% |
| 900万円→1,000万円 | +658,539円 | 66% |
| 1,000万円→1,200万円 | +1,287,513円 | 64% |
| 1,200万円→1,500万円 | +1,677,502円 | 56% |
出典:LifeKurabe による2026年度の算出(東京都・39歳以下・扶養なし・協会けんぽ)。隣り合う年収の手取りの差
年収500万円までは、100万円増えると手取りは76万〜77万円ほど増える。500万円から600万円に上がると残る割合は72%になり、600万円から700万円では65%まで下がる。この区間の所得税の増え方は126,809円で、ひとつ手前の区間(57,686円)の2倍を超える。
800万円から900万円で割合が一度戻る
割合は下がり続けるわけではない。700万円から800万円で64%だったのが、800万円から900万円では67%に上がる。この区間では社会保険料が47,336円しか増えておらず、ひとつ手前の区間の125,312円よりずっと少ない。厚生年金保険料が上限に近づいたためだと考えられるが、上限に届く年収は表から読み取れないので、ここは推測だ。
1,000万円を超えると、残る割合はまた下がる。1,200万円から1,500万円の区間は56%で、表のなかで最も低い。昇給した分の半分と少ししか、手取りには残らない計算になる。
表の手取りと実際の手取りがずれる人
この表は計算を単純にするために前提を置いている。次の条件にあてはまる人は、実際の手取りが表とずれる。
- 賞与の比率が高い人。表は年収を全額月給として計算している。実際の賞与には標準賞与額という別の等級と上限(健康保険は年573万円、厚生年金は月150万円)があるので、表の社会保険料は多めに出る。
- 就職1年目の人。住民税は本来、前年の所得にかかり、6月から翌年5月に納める。表は同じ年の所得にかけている。前年に課税対象となる所得がなければ就職1年目の住民税は原則0円だが、前年にアルバイトや前職の所得があれば課税される。
- 昇給したばかりの人。標準報酬月額は本来4〜6月の平均で決まり、9月から翌年8月まで使われる。表では昇給した月から保険料がすぐ変わる前提になっている。
- 協会けんぽ以外の人。組合健保や共済組合は料率が違う。組合費、財形、社宅など会社ごとの控除も表には入っていない。
住む自治体によっても差は出る。表の住民税の均等割は標準税率の4,000円で計算しているため、横浜市や茨城県内の市町村のように超過課税を上乗せする自治体の分は入っていない。政令指定都市では、市民税と道府県民税の配分が8%と2%になる。100円未満の切り捨てを税ごとに行うので、合計が100円違うことがある。
表にない年収や東京都以外に住む人、扶養がある人は、当サイトの手取り計算ツールで条件を入れれば計算できる。40歳以上もこの表の前提から外れる。年齢で手取りがどう変わるかは40歳からの介護保険料の記事で扱っている。