本文へ移動
年収 AI生成 文責 くろいちご

ふるさと納税の上限は住民税所得割の2割から決まる、年収500万円で58,000円 2026年度

ふるさと納税で自己負担が2,000円に収まる寄附額の上限は、住民税の所得割の2割と所得税の税率から逆算して決まる。東京都・35歳・扶養なしの会社員を例に、年収300万〜1,000万円の所得割と上限の目安を2026年度の試算で並べる。

58,000円 年収500万円のふるさと納税上限の目安(東京都・35歳・扶養なし) LifeKurabe 手取り計算ツールの2026年度算出結果。住民税所得割238,000円の2割を特例分の限度として逆算

年収500万円の会社員(東京都・35歳・扶養なし・協会けんぽ・給与のみ)なら、2026年度の試算で住民税は242,000円になる。このうち所得割は238,000円で、ふるさと納税で自己負担を2,000円に収められる寄附額の上限の目安は58,000円だ。上限は年収から直接出てくる数字ではない。この所得割の大きさから逆算して決まる。

所得割が決め手になるのは、寄附で減る税のうち最も大きい住民税の「特例分」に、所得割の2割という限度があるからだ。特例分がこの限度に達した後も、所得税の寄附金控除や住民税の基本分が直ちに消えるわけではない。ただし超過分を特例分で埋められないため、寄附額から2,000円を引いた全額が控除されるとは限らず、自己負担が増える。ここでいう上限の目安は、特例分が所得割の2割に届く寄附額だ。

年収別の住民税と、そこから出る上限

年収住民税(うち所得割)上限の目安
300万円114,600円(110,600円)28,000円
400万円174,500円(170,500円)42,000円
500万円242,000円(238,000円)58,000円
600万円306,200円(302,200円)77,000円
800万円452,000円(448,000円)130,000円
1,000万円636,800円(632,800円)183,000円

出典:LifeKurabe 手取り計算ツールによる2026年度の算出結果(東京都・35歳・扶養0人・協会けんぽ、確認日2026年9月1日)

住民税の欄は、所得割に均等割4,000円を足した額で、6段ともその差はちょうど4,000円になっている。均等割とは別に納める森林環境税1,000円は、住民税の額に含めていない。所得割は標準税率(市町村民税6%・道府県民税4%)に調整控除を適用して計算したものだ。

年収500万円と1,000万円を比べると、所得割は238,000円から632,800円へ約2.7倍、上限は58,000円から183,000円へ約3.2倍になる。上限の伸びのほうが大きい。その理由は、上限を出す式の中に所得税の税率が入っていることにある。

58,000円の寄附で減る税の内訳

年収500万円の人が上限いっぱいの58,000円を寄附すると、所得税が2,800円、復興特別所得税が58円、住民税の基本分が5,600円、住民税の特例分が47,541円減る。合計は55,999円で、残る自己負担は2,001円になる。

数字を割り戻すと、所得税の2,800円は寄附額から2,000円を引いた56,000円の5%、基本分の5,600円は同じ56,000円の10%にあたる。特例分は56,000円に「90% − 所得税率×1.021」を掛けた値で、税率5%なら84.895%、金額にして47,541円だ。限度の47,600円(所得割238,000円の2割)には59円の余裕を残して収まっている。

所得割から上限を逆算する

特例分が限度に届く寄附額を式にすると、次のようになる。

特例分の限度   = 所得割 × 20%
特例分         = (寄附額 − 2,000円) × (90% − 所得税の限界税率 × 1.021)
上限           = 所得割 × 20% ÷ (90% − 限界税率 × 1.021) + 2,000円

年収500万円の場合
  238,000円 × 20%      = 47,600円
  47,600円 ÷ 84.895%   ≒ 56,069円
  56,069円 + 2,000円   = 58,069円  → 表では 58,000円

同じ式で表の6段をすべて計算すると、表の上限はどれも計算結果の1,000円未満を切り捨てた値と一致する。手元の所得割と限界税率が分かれば、上限の目安は自分で出せる。

税率が一段上がると上限の伸び方が変わる

表のうち年収300万〜500万円は所得税の限界税率が5%、600万円は10%、800万円と1,000万円は20%で計算されている。税率が上がると「90% − 所得税率×1.021」が小さくなり、寄附1円あたりの特例分が減る。10%なら79.79%、20%なら69.58%だ。

1円あたりの特例分が減れば、所得割の2割に届くまでにより多くの寄附が要る。そのぶん上限は所得割に比べて大きくなる。表の値で上限を所得割で割ると、年収500万円で約24.4%、600万円で約25.5%、800万円で約29.0%になる。税率の境目をまたぐと、同じ所得割でも上限が段で動くのはこのためだ。

表の数字が目安にとどまる条件

この表は、いくつかの前提を置いた試算になっている。上限が実際に動く主な要因は次のとおり。

  • 前年の所得と当年の所得のずれ。住民税の所得割は前年の所得にかかり、所得税率は当年の所得で決まる。表は同じ年の所得に住民税をかけて計算しているので、転職や休職で所得が動いた年は上限もずれる。
  • 他の控除の申告。医療費控除などの所得控除で課税所得が変われば、所得割と上限の目安も変わる。住宅ローン控除は税額控除で、上限の計算にはその適用前の所得割を使う。ただし住宅ローン控除額が大きいと、寄附金税額控除を全額受けられない場合がある(練馬区のFAQ)。
  • 計算の前提。協会けんぽの料率、賞与を含めた年収全額を月給として扱う計算、超過課税のない標準税率を前提にしている。組合健保の加入者や、横浜市のように超過課税を上乗せする自治体の住民では額が変わる。政令指定都市では100円未満の切り捨てを税ごとに行うため、所得割の合計が100円違うことがある。

住民税がいつの所得にかかるかの仕組みは、住民税は前年の所得に翌年度かかるで年収別に整理している。

控除の受け方でも通り道が変わる。確定申告をしない会社員が使えるワンストップ特例は、寄附先が5団体以内で、申請が寄附した年の翌年1月10日までに届く必要がある。確定申告をするか、ワンストップ特例を使うかで、どの税からどう差し引かれるかが変わる点は覚えておきたい。

表の上限はあくまで東京都・35歳・扶養なしの会社員の一例だ。自分の上限を確かめるときは、年収ではなく住民税の決定通知にある所得割の額と、自分の所得税の税率を手がかりにすると、ずれの原因を追いやすい。

出典 種別について